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NFTの市場は拡大中で、世界最大のNFTマーケットであるOpenseaの規模はアクティブユーザー数が150万人を超えており、取引高は150億ドルを突破しています。
新たなる可能性に魅力を感じ、自分もNFTを制作してOpenseaで販売してみた。そのようなアーティストの方もいるのではないでしょうか?
しかしOpenseaで出品したものの、まったく売れず、売れる気配もない。
自分が制作した作品は魅力はあるし、芸術的だけどなぜ売れないの?
今回の記事では、そのような疑問を解消するために、どうすればNFT作品が売れていくのか。他のアーティストさんはどうやって売っているのかを解説していきます。
目次
OpenseaでNFT作品が売れない理由とは?
Openseaで自分の描いたイラスト作品を出品してみた。それは素晴らしいチャレンジです。しかし出品したからといって、必ず売れるとは限りません。
自分では、かなり良い感じでイラストは作れたし、売れるはずだ。
なぜNFT作品が売れないのか?以下で解説していきます。
トレンドが抑えられていない
NFTアートには、一定のトレンドがあり、トレンドに即した作品が売れる傾向にあります。
もちろん誰が見ても素晴らしいアート作品であれば、売れる可能性は広がりますが、NFTアートのトレンドとして、1番にドット画であることが挙げられます。
ドット画とは、通常の目視でピクセルが判別できる程度に解像度が低いビットマップ画像と捉えることができる絵のことです。ピクセルアートとも呼ばれています。
昔のファミコンなどのゲームでよく用いられた表現形態で、16×16、もしくは32×32サイズが一般的です。実際にドット画で売れているNFT作品で売れている作品で有名なのが、CryptoPunksです。実はCryptoPunksがドット絵を採用しているのには、理由があります。
イラストや3Dなどはデータ量が多いので、ブロックチェーン上には記録できないからです。そのため、CryptoPunksではデータ量が少ないドット画を採用し、作品のすべてをブロックチェーンに記録するのができます。これをフルオンチェーンといいます。
CryptoPunksシリーズは、NFTの初期から続く由緒あるフルオンチェーンであるため、高額なのです。そのため、他のNFTアートもドット画のほうが売れる傾向があります。
まず販売したいのであれば、ドット画で出品していきましょう。
認知度が低い
せっかく時間をかけて作ったNFT作品でも、その他多数の作品に埋もれている可能性が高いです。
つまり名前も知られていない一般人が作ったNFTアートは、販売している事実やその存在自体が知られていないため、まず売れません。
苦心して作ったNFTアートでも、販売している事実を知っている人が少ないので、そもそも購入される確率が極めて低いです。
そのため、まずはNFTアートを世の中の人に知ってもらうために自身のブログやYouTube、Twitter、InstagramといったSNS等を通じて積極的に自分のNFTアートの情報を発信していき、認知度を高めていくことです。
買い手が少ない
出品したNFT作品はOpenseaで販売していても、買い手が少ない可能性もあります。
Openseaでもネットワークが2つあり、一つはメジャーなETHネットワーク。もう一つはPolygonネットワークです。
Polygonネットワークで出品する場合、ガス代がかからない、出品手数料が無料というメリットもありますが、ETHネットワークに比べると取引している買い手が少ないです。
Polygonネットワークで手ごろな値段で販売されていても、将来の流動性はETHネットワークのほうが断然大きいです。買い手は2次流通なども考えてETHネットワークを利用しています。
Polygonネットワークで販売していて売れていないのであれば、ETHネットワークに変更して、販売してみてはいかがでしょうか?
Openseaで売れているNFT作品の共通点
自分のNFT作品が売れないのであれば、売れている作品の傾向を見つけましょう。実際にOpenseaで売れている作品には共通点があります。
売れているNFT作品にはどのような共通点があるか解説していきます。
付加価値がついている
NFT作品は、所有権のデジタル化や売買にだけ使われるわけではありません。もちろん売買が優先されますが、シリーズ化されたNFT作品を購入することで、別の特典を貰えたらどう感じますか?お得感がありますよね。
実際に、とあるNFT作品ではトークンの保持数に応じて出品アーティストとの食事会やオンライン交流会を設定したり、新作を優先的に購入できる権利が得られたりします。
株主優待権のような仕組みを構築することで、付加価値を生み出すことができます。
特にOpenseaで販売されている人気シリーズである「Bored Ape Yacht Club」では、購入者にチャットツールDiscordでBored Ape NFT保有者が参加できるグループチャットにアクセスできる仕組みもあります。
NFTでは、会員制コミュニティは珍しくはないですが、Bored Ape Yacht Clubコミュニティの特徴は会員にBored Ape NFTを保有する著名人が多くいることです。ラッパーのエミネムやスヌープドック、NBAゴールデンステイトウォリアーズのステフィン・カリーなども会員となっています。
その他ではコレクションとしてのBored Ape のNFT以外にも、会員限定の「BAYC Merch Store」を展開し、限定版のパーカーやTシャツなどのグッズを販売しています。Bored Ape自身がアートとして盛り上がっていることから、グッズ展開はファッションとしても注目されるようになりました。
お気に入りのNFTを購入できれば、有名アーティストと同じコミュニティーに入れて、同じファッションをできるのであれば、素晴らしい付加価値を得られます。
希少性がある
NFT作品で売れる、価値が上がる要因として有名画家やインフルエンサーが書いたイラストで、かつ販売枚数が少ない希少性がある作品が売れる傾向にあります。
実社会でも、人気アイドルやスポーツ選手の使用したグッズやユニフォーム、限定記念商品などが販売されれば、ファンなら誰でも欲しいアイテムです。
NFTでも販売前に枚数限定をホームページで告知し、欲しいユーザーにメール登録させる方法もあります。抽選制にして、当たった人にNFTの販売権利を付与する方法です。
最近だと、村上隆さんの「Murakami Flower」が抽選制を設けて話題となりました。
現在、日本のNFTでは最も取引されており、1日の取引額は79ETHになっています。
村上隆という現代アートの著名人のNFTで、さらに販売枚数が少ないと将来的な転売の価値も見据えて、買い手が殺到いたします。購入できれば、ある程度の利益が確定できるからです。
そのようにアーティストの認知度を上げ、販売枚数を制限する方法でNFTの希少性を高めることも販路拡大の戦略になります。
SNSなどのアイコンサイズで作られている
NFTは個人的にコレクションとして所有して楽しむ以外に、TwitterやSNSなどのアイコンとして利用するのが主な用途になります。自分はこのNFT作品を所有している、このアートを支持していますというアピールにもなります。
そのため、使いやすい正方形のサイズのアートにするのがおすすめです。実際に売れているNFT作品のほとんどが正方形で作られてます。アイコンの中央にキャラクターが入るように意識して作品を作る必要があります。
アイコンにする際に横長の画像は全体が切れやすく、制作されたNFTが見切れてしまうこともあります。
最初からSNSで使用される事を想定して、キャラクターを中央に配置するように心がけて制作していきましょう。
どんなNFTが売れているかの参考記事もありますので、ご確認ください。
OpenseaでNFT作品が売れるようになるために必要なこと
上記の対応をしていけば、あなたのNFT作品も少しづつ認知され、売れる確率は増えていくはずです。まずは1作品、2作品と売ってファンを増やしてください。
NFTの購入者情報もTwitterやInstagramアカウントで把握できるため、購買者とやり取りしていくのも良いでしょう。
ここからは、ご自身のNFT作品がさらに認知され、売れていくための方法を解説していきます。
海外に向けて発信する
自身のNFTを海外向け購入者に発信する方法としては、やはりTwitterを通じて告知していく方法がよいです。
日本向けツイートとは別に、英語でツイートして海外のユーザー向けに発信していく方法です。海外の方に伝わるようにハッシュタグを用いて、検索にヒットするようにすべきです。
ツイートする時間帯もアメリカのユーザーに伝えるのであれば、時差も考慮して日本時間の朝方に発信すれば、アメリカ時間の午後9時~10時に目に留まります。
そのような地道な投稿で、海外ファンを獲得していくことをおすすめします。
トレンドをしっかり抑える
NFT作品を売るためには、売れている作品のトレンドも見ていきましょう。まずはシリーズ化、ドット画などで対応していくことです。
それ以外でも、日本の特徴を前面に出して売り出す方法もあります。
日本のアニメ産業は世界でも注目を浴びています。「カワイイ」というワードも、世界では強く認知されています。
その世界で人気があるアニメキャラクターを自身で作り上げ、世界にアピール方法もあります。カワイイ女の子シリーズも世界でのトレンドにマッチしています。
それ以外では、日本古来の忍者をモチーフにした「CryptoNinja」シリーズの人気があります。
そのように日本の文化のトレンドを上手く取り入れ、NFT作品を販売していくと、購入ユーザーの目に留まりやすいです。
ぜひご自身のアイデアを活用して、デザイン化してください。
TwitterなどのSNSで宣伝し、認知度を上げる
Openseaで出品しただけでは、なかなか認知されないのが現状です。それだけNFT作品を出品しているアーティストも増えています。
自身の作品を認知されるために、TwitterやYouTube、Instagramで宣伝していくことをおすすめします。
特にTwitterでのマーケティングとして、ご自身の作品を認知してもらうために、最初はリツイートやイイね、をしてくれた方を対象に自身のNFT作品を無料配布する方法が有効です。リツイートによってインプレッションを増やし、マーケティングとして話題性を造っていきます。
最初は無料なので利益が生まれませんが、話題性が増えれば将来はお金を出して購入する方も増えます。また無料でもらえた人も転売して利益が出れば、それでも話題になります。
SNSを活用して、まずは認知度を上げていくことが先決です。
NFT作品に統一性を持たせる
売れている作品のほとんどがシリーズ化されており、同じキャラクターでまとめてあります。
ご自身のNFT作品を販売していくときは、何を題材にして販売していくか徹底的に考えていく方がよいです。描きたいものばかり販売しても、ユーザーからは何をしたいのか判別がつかないため、一つの作品をシリーズ化して販売してください。
例えば猫の作品が売れると感じれば、猫のキャラクター化を行い、すべての作品でそのキャラクター猫を使用します。その猫を季節に応じて、お正月なら着物を着せる作品、春ならお花見、夏ならアロハシャツを着ている、冬ならスノボ服を着ているとサンタの恰好をしていると周りの背景や装飾を変えていきます。
そのような作品を継続して販売していくと、購入ユーザーには統一感を感じるシリーズとなります。
初期設定が大切になりますが、販売経路を確保していくためにもキャラクター設定と統一性は念入りに行っていきましょう。
OpenseaでNFT作品が売れない理由についてまとめ
NFT作品が売れない理由についてのまとめです。
・ドット画などトレンドを把握して販売する。SNSで告知していかないと購入ユーザーには認知されない。
・売れる作品はTwitterなどSNSアイコンと相性の良い正方形で販売していく。できれば希少性や付加価値がついたNFT作品であれば、売れていく確率は高まる。
・海外のユーザーに認知するため、Twitterも英語で発信する。ETHネットワークの方が購入ユーザーも多いため、日本らしい統一感を持った作品を作り、販売していく。
NFT市場は、まだまだ伸びる要素がある産業です。トレンドを見据え、SNSでこまめに発信していけば売れていくでしょう。
あきらめずにどんどんNFT作品を出品していきましょう。